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空想DIYを紹介するページです。


金属内の電子の密度

手のひらに乗る程度の物質の中には例えば1026くらいの、非常にたくさんの電子がある。
このような多数の電子は強い電荷となるため電荷同士の斥力で飛散する傾向が強く、
電子だけを手のひらの上のような狭い空間には留めておけない。
物質が手のひらの上で安定してあるのは、原子核のプラスと電子のマイナスがお互いに中和しているからである。
元素から電子をはぎ取るのは容易ではない。
しかし比較的拘束が緩い場合があり、電子の増減が無ければ、玉突きで物質内を動ける場合がある。
金属結合の物質内の自由電子である。
金属内の自由電子の拘束は比較的緩いとは言っても、
例えばある幾何学形状で1/107ほどの電子をはぎ取ると10kVの電圧が発生する計算となる位には拘束されている
(僅か10kVで1/107ほどの電子をはぎ取れるというのはそれはそれで凄いことで、
我々が日常に扱っている電圧と言うのは、化学的にはずいぶん大きい値である)。
そこで、金属を動かしてみる。そのとき自由電子は金属の外には出難いから、金属と一緒に動く。
原子核も一緒に動くから電荷的には移動はないが、
仮に電子だけが動いたとすると、どれ程の電流に相当するだろうか?。
例えば、銅パイプを軸を中心に回転させたとき、パイプ内の電子の動きのことを考える。
銅1モル(64g )にはほぼ6.0×1023 個の原子が含まれる。銅の密度は8.9[g /cm3]。
したがって、8.34×1022[個/cm3]、13.5[kC/cm3]。
例えば、1cm厚、長さ10cm、周長20cmの銅パイプが5000RPMで回転すると、
13.5k*1*10*20*5000/60[C/s] =225[MC/s]が断面を通過した電荷となる。つまり、225[MA]相当である。
このように、物質を動かした時の電子の移動は、全体としてはすさまじい電流に相当する
(何度も言うが、原子核も動くので、総和として電流が流れる訳ではない)。

解説:以前銅パイプを高速回転させた上に磁石を浮かす動画を見て考えたことです。
モーターの力強さの理由がわかったような数字でした。

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