本文へスキップ

空想DIYを紹介するページです。


庭作り

書きかけですが、とりあえず公開します。
庭を作る話です。


今回は庭作りの基本について書こうと思います。
とは言っても、写真を使うと個人情報が出過ぎる気がするので、文章だけです。


1. デザイン

あちこち見て回るのは好きでしたし、仕事柄出張も多かったので、日本中、世界中を見て回りました。
少なくとも数100の庭を見て回りました。
各地のみなさん、不審者みたいなことして済みません。

さて、気候や土地の素材によって庭の形も様々です。あくまでも主観ですが、総じていえば
欧州の庭は平面的で、見晴らしが良く天然風なのにどこか人工的な感じで、
東洋のは雑多で持ち寄り的で明らかに人工的なのにいつの間にか天然に飲み込まれているという感じです。
当時憧れたのは英国風庭園でした。
しかし実際に英国で庭を見てみると、個人のお宅の庭には雑誌で見るような立体的なものはほとんどなく、とても平面的でした。
基本的に平面の土地に立体的に植物を配する感じです。
植物には凝っていて、クレマチスが比較的多いかなという以外は、実に個性的な植物が各戸で独創的な模様を描いています。
第一印象という意味では米国の庭でしょうか。
(土地に余裕がないためか水が貴重だからかゼラニウムだらけのカリフォルニアは別として、)
内陸部は広い芝生に一点豪華主義的な何かといったものが多く、
季節がばっちり合うと、おおーっという感じのものを結構見かけました。
しかし、「奥さんにせっつかれて毎週のように芝刈りしている」という話を何度も聞くにつけ、
こんなに寒くて乾燥する地方でそうだとすると、日本じゃあとてもきれいに保てないだろうから芝だけは止めよう、
と固く誓ったのでした。米国の生産性が低いのは、多くの庭が芝だからですよ、きっと。

印象は海外にも良いのが多かったのですが、
結局構造的には日本の庭(和風庭園ではなく洋風庭園)が一番凝っているのではなかろうか、と思いました。
世界中のありとあらゆる素材を使い、凝りに凝った庭が多い。
まさに日本人の面目躍如といったところでしょうか。
広さも手頃なので、参考とするのはもっぱら日本の庭となり、あちこちの住宅街を見て歩きました。
最近は熱帯、亜熱帯の植物に惹かれますが、当時は温帯、亜寒帯の植物をベースと考えており、
最終的に、一見英国風で実は立体的な、
いわゆる実は英国ではとんと見かけないが日本人が夢見る英国風的な庭にしようと思いました。
また、飽きやすい私がいつまでもまめに手入れするとは思えず、高温多湿の日本は雑草の勢いが半端ないので、
土の面積を限定して、手入れを少なくすることを基本方針としました。

視点、通路
庭の視点は高さ変化をあまり考えなくてよく、ほとんどが立った状態の視線です。
一部、限定された座るべき場所での座った視線と、ベランダから見下ろす視線を考慮しますが、
これはほとんど付け足しです。
代わりに遠近感を作りこまないといけません。
室内はかなり狭くてもそれなりに広く感じますが、庭はそうはいきません。
外の空間は室内と比べると同じ面積でも非常に狭く感じてしまいます。
田舎のように、借景も含めた広大な土地があれば別ですが、
住宅地の場合は限られた面積で庭を造らないといけません。
庭にはなるべく直線や類似形の繰り返しを入れない方が人工的にならなくて良いのですが、
狭い土地の庭を広く見せるには、ある程度意識的にこれらを取り入れて、遠近感をだまします。
具体的には、通路や花壇を次第に狭くしたり、手前に置く石に大きめのものを選んだり、といったものです。
しかし、このためには視点をある程度制限しなくてはなりません。
視点を制限すると歩き回れず、逆に狭く感じるものです。
例えば家の周囲にぐるりと狭い通路を巡らし、これに様々な変化を付けた庭があります。
家の周囲の狭い空間なのですが、歩かせて頂くと、これはとても贅沢な広さを感じるものです。
ただし、この手法は高低差の作り込みが重要なように感じます。
作るのも大変ですし、私の場合は住宅地の規則で出来ませんでした。あまり平地には向かない構造と言えます。
とは言え、ある程度通路を巡らして歩き回れるようにするというのは、庭を広く見せる重要な要素ではあると思います。
また、通路を細長く巡らすと、通路から離れた奥まった土地が減ります。
このような土地は管理も面倒ですし、面積的にも無駄が多いように感じるので、これが減るのは良いことと思います。
従って、ある程度通路を巡らせながら、如何に遠近感を演出するかを考えることになります。
また、通路の先が見えないような構造は迷路のような面白さがありますが、
狭い土地でこれをやるとてきめんに薄暗い庭になります。
日陰はどうしても陰気になりがちですので、これは避ける方向で考えました。

素材とデザイン
これは大変重要だと思うのですが、デザインに合わせて素材を探すのではなく、
素材に合わせてデザインを調整するということです。
庭に使える素材はいつでもどこでも入手可能ということは非常に稀です。
見かけて気に入って探しても、見かけたものが近所でかつ作られたばかりの庭でもなければ、
なかなか似たような素材は手に入りません。
従って、使えそうな素材を探して歩き(Webの中で見て回っても良いですが)、
これはと言う候補を幾つか見つけて、組み合わせを考えます。
また、一時期に全部作ると素材が偏るので、何年かに分けて作る方が変化が付くと思います。

防犯
庭は第三者の出入りが比較的簡単なので、防犯を考慮しなくてはなりません。
周辺に高い塀を作って住宅を見えなくするのは問題があります。
私の場合はそもそも緑地協定で塀を巡らせることはできないのですが、垣根も中が見えなくなると良くありません。
それを伝って登れるような位置に背の高い樹を植えるのも良くありません。
通路は石英質の砂利を敷いて、歩くと音がするようにします。
なお、地方によっては果樹を植えると大型の獣が入ってきて危ないという話も聞いたことがあります。

子供対応
普通は子供を想定する必要があるようです。角のある高低差や池は子供には危険です。
また、一定の広い空間や砂場などの遊ぶ要素も必要なようです。
石英質の砂利は防犯には基本ですが、子供が食べて危険と言うこともあります。
毒のある植物も多いです(子供がいない場合は、逆にある程度毒のある植物を混ぜた方が管理がしやすくなります)。
ところで、日当たりが良くて粒の細かい砂地は近所の犬猫のトイレにされてしまいがちです。
小さい子供がいなくなったら変更した方が良いでしょう。

変更のしやすさ
なお、あとで変更できるように固定構造を少なくしたのですが、
こんな大掛かりなものはそう何度もする気になるものではなく、基本構造は結局ずっと最初のままです。

2. ゾーン分け

植物には適した日照、湿度、pHなどがあって、何でも同じところに植えられる訳ではありません。
日照は背の高い植物の影に植えるとかの調整が効きますし、湿度は部分的に潅水したり吸湿剤を使ったりで調整できますが、
土の特性は細かく区切るのが難しいので大まかにゾーン分けします。
概略、酸性土壌を好むつつじなど、リン酸肥料が嫌いなオーストラリア産、その他、の3つに分けました。

3. 石材

一番凝ったのはこれであり、一番失敗したのも恐らくこれでした。
しかし、これについてはまたの機会に。

4. 土作り

土手の補修の話でも書きましたが


済みません、まだ公開していません。とりあえず関係している部分だけ抜き出しときます

土には色々な種類があるが、日本で比較的多いものに花崗岩が風化した真砂土がある。
古生層の土と違って比較的荒めで扱いやすいので、表土を真砂土に置き換えることも多い。
この真砂土にも荒さの程度があり、荒さによって特性が大きく異なる。
一戸建てを建てた人にはお分かりだろうが、地盤に使う真砂土と庭に使う真砂土では荒さが全く異なる。
雨降って地固まるというのは目の細かい真砂土の話しであって、砂礫状態の荒い真砂土は禄に固まりはしない。
宅地の地面が真砂土だからと言ってそのまま庭土の主成分にしたりすると、
少しやせさせただけですぐに固くなって、とても扱い難い土になる。
庭の部分は、庭用(畑用?)の荒い真砂土に入れ替える必要がある。
で、問題の場所は、まさに庭に最適の荒い真砂土だった訳である。
つまり、一雨来れば固まるという訳にはいかない。一雨来れば崩落する。
)、


まともな宅地の土はシルト質が多く、植物を植えるには向きません。
また、建築関係の人には大雑把な人が多く、大抵はコンクリートやブロックの余りが宅地に埋まっています。
ブロック塀と一緒に庭でも作ってもらおうものなら、
庭の植物植えるスペースをブロック廃材のごみ捨てに使っていることもしばしばです。
セメントは強いアルカリなので、これは確実に取り除かないといけません。
とは言え、職人さんの仕事はきれいだし、大掛かりな道具がないと難しい作業もありますし、
休日にやるには時間の掛かり過ぎる仕事もありますので、大物は職人さんが頼りです。
そこで、基本的には、作土は入れないように頼みましょう。
それでも入れられてしまった場合はほぼ100%残土やブロックゴミの捨て場になってますから、
全て掘り出して土を入れ換えます。
私は2回に分けてお願いしましたが、最初のところは入れないように頼んだのに入れてあって、
掘り返すとやはり極表面より下はブロック屑やセメント屑だらけの残土が入っていました。

さて、作土ですが、庭は狭いようで結構な体積が必要です。
ホムセンから袋で買っていたらとても追い付きません。
地方によるでしょうが、日本では多くの場合基本は安い真砂土になると思います。
作土に使うには荒い真砂土が必要ですから、例え宅地が真砂土でも植物を植える部分は入れ替える必要があります。
土は買うのはいいとして捨てるのは難しいので、植物を植える部分を高くして、そこに作土を入れます。
こうすると後々屈んでの作業が楽になるというメリットもあります。
さて、どこから買うかですが、私は近所の農協に頼みました。
農協ならば畑用ですから目の粗い真砂土ですし、畑に入れるくらいなので価格も割安です。
ただし、畑用なので少量だと高くつきます。
私の場合、4トン単位(正確には4トントラックすりきりよりやや低め一杯あたりなので、4トン以上あるかもしれません)で、
仮に1トンだとしても4トンの値段ということでした。
まあ、実際のところ背の高めの花壇を設計したので、庭には4トントラック一杯近くは必要だったのですが。
これにボラ土や有機肥料(バーク堆肥を使いました)などを混合し花壇に山盛りで入れます
(土は幾らか残しておきます。後で買い足してもいいですが。)。
雨が降ると体積が減り、また数年すると有機分が分解されて体積が減ります。
さて、こうしてできた庭にはまず一年草を植えます。私は幾つか樹木も植えたのですが、失敗でした。
なぜかと言うと、土に菌やミミズが少ないからです。
有機肥料を入れれば菌糸やミミズの卵は導入されますが、十分な密度になるには年月が掛かります。
また、植物の根がないと増えない菌もありますので、ただ寝かせていてもだめです。
加速するために一年草を植え付けるときに菌の素を入れます。
スーパーの前で安売りしている苗や、余所の庭からもらった苗を入れてはいけません。
最初の土はとても純粋でどのような菌や病気、雑草にも染まり易いのです。
大手の種苗家によって無菌、無雑草に近い状態で育苗された苗を植えます。
園芸品種の一年草はプランターや鉢植えなどに植えられることが多いので、菌やミミズのない状態に適したものが多く、
作ったばかりの花壇に適していますし、手っ取り早く華やかになるので達成感も味わえます。
コストは割高ですが。
あと、雑草はまめに取ります。
うっかり雑草を大きくしてしまい種をばらまかれてしまったら、以降少なくとも5年はその雑草との大激戦が待っています。
時々有機肥料を足しながら数年すると土が出来てきます。そうなれば、何を植えても大体は根付くようになります。
逆に、一年草は連作を嫌ったりして花つきが悪くなるものがあります。


このページの先頭へ