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空想DIYを紹介するページです。


真空蒸着装置の自作

これは完全な空想工作です。実際には何も作っていません。
しかも、個人レベルでは危なくて作れない(作る気になれない)というのが結論。

皮算用

真空中で金属を蒸発させるのは比較的簡単である。より高温に耐える金属に電流を流して抵抗発熱させても良いし、
誘導加熱を使っても良い。放電させて、電子をぶつけても良い。
こう言ったものは、個人の工作でも何とかなりそうである。
問題は、必要な真空を作ることと、それを測定することである。
真空が必要な理由には、例えば次のようなものが考えられるが、主に1.の理由のために
真空蒸着には10^-3〜10^-4 Pa程度の真空度が必要とされる。
1.蒸着材料の分子が対象に達する前に容器内の残存気体分子に衝突して散乱され、
   対象に到達できなくなることを防止するため
2.対象に衝突する気体分子の個数を、蒸着材料の分子衝突個数よりも少なくしたいから
3.蒸着材料の蒸発温度を下げて蒸着を容易にするため
4.蒸着材料の分子が残存気体と化合する率を減らしたいから


真空ポンプ

個人で簡単に手に入る(中古価格が比較的安い)ロータリー真空ポンプの到達真空度は10^-1 Paだから、
真空度が足りない。
油拡散式真空ポンプ(エジェクター)などは液体窒素を使うのがネック。
イオンポンプなどは補助的なものだし、個人では手が出ない。
となると、個人で使えそうなのはどうしてもターボ分子ポンプということになる。

ターボ分子ポンプは危険

ターボ分子ポンプは中古でも結構高価だが、全く手が出ないという程ではない。
しかし、原理的にタービンの周速度が最低でも音速くらいないといけないので、
事故的に急停止すると吹っ飛んで死亡事故が起こることがある。
まあ、数10kgの金属塊が高速でボディに当たればまず即死だろうし、
運悪く足だけもぎ取られようものならさぞかし痛いだろう。
中古だとその危険性は急増する。
これを防ぐような構造体を個人で作るのは厳しい。
(大学時代はそんなこと知らずに足元にターボ分子ポンプ置いて実験してたよなあ。
当時は危険性が認知されてなかったし。良く生きていたものだ。今考えると冷や汗ものである。)
ということで、ターボ分子ポンプなら個人でも何とかなるが、ほぼ自殺行為である。



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