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空想DIYを紹介するページです。


高温超電導のメカニズム(私説)

追記:
一般的な説明を知らずにいきなりこんな私説を読むのは危険だろうということで、
本題に入る前に、恐らくこれが一般的な説明だろうと私が思うものを紹介しておきます。

「超伝導は原子間距離が接近し電子雲の重なりが大きくなると発生する。」

砕いて言うと次のようになります。
電荷がプラスマイナスゼロになって安定化しようとする力は強く、
原子核(プラス電荷)の周囲には電子(マイナス電荷)が安定する空間
(強制的にそこにいるようにさせる力)が発生します。
この力は同じ空間内の複数の電子を接近させようとする力としても働きます。
電子同士はマイナス電荷による斥力があり接近を拒みますが、
スピンの異なる電子同士は互いの斥力が低いため、
この空間には電子を凝集させる傾向があります。
電子が凝集状態で安定となる空間は、通常は原子核の周辺の狭い空間として閉じているのですが、
原子間距離(原子核の間隔)が接近すると隣の空間と重なります。
結果、凝集状態の電子が自由に移動できるようになります。
これが超伝導状態です。
しかし温度が高いと(運動エネルギーが高いと)電子同士が凝集を拒む傾向が強くなり、
凝集安定する空間が狭くなって隣の空間と分離してしまいます。
従って、電子が凝集安定する空間が互いにつながっているには、
原子間距離が非常に小さいか、温度が低い必要があります。
つまり、より原子間距離が小さいものはより高温まで電子の凝集空間が互いにつながっていられます。

例えばCuOが高温で超伝導を示すのは、原子間距離が他の物質よりも近いからです。
CuOの問題の空間の原子間距離は約0.2nmであり、多くの金属元素の0.3〜0.5nmよりもかなり近くなっています。
また、電子軌道数(原子核1個あたりの自由電子数)が多いほど(つまり原子核の電荷が大きいほど)
超伝導は安定します。
圧力が高いと原子間距離が近くなって、より高温でも超伝導状態を起こすようになります。

このように、この説明は超伝導の各種の性質を説明でき、とても確からしいです。
しかし、この説明だと仮に原子間距離がゼロでも310K程度(約37℃)を超えることはなく、
原子間距離ゼロだと核融合してしまうので、現実的な所では200K位が限界だろうということになります。
つまりこの説明では常温超伝導はあり得ないという結論となります。
夢も希望もないでしょう?。
だから私説のような夢を妄想するのです。

追記おわり。



定性論なら何とでも言える、ということで以下は素人の戯言です、真に受けない方が良いでしょう。
読み返したらあまりにも前置きが長過ぎると感じたので、メカニズムの部分だけを先に抜き出しました。

私の妄想するメカニズム

クーパー対という状態は電子が暫くの間、高速に平行に運動する状態である。
原子核に捉えられている自由電子の運動エネルギーは1000km/秒以上もざらにある(1eVの電子は590km/s)。
このような高速運動する自由電子にとってクーパー対になるエネルギー障壁(数meV)は無いに等しい。
また、互いにスピンが逆向きの電子が一定以上接近するとクーロン力の斥力とスピンの磁力による引力が打ち消しあって、
斥力も引力もほとんどない状態になる(むしろ極わずかに引力がある)。
このような状態で電子が平行に走るようになるかは単純な確率の問題であって、
複数の電子の軌道が交差(空間を共有)する場所ではクーパー対状態は頻繁に起こっていると考えた方が自然である。
しかし、別の(単独の)電子に接近すると軌道を分離してしまう。
電子の存在密度は低いが、電子は高速で動いているので、ある期間内に接近遭遇する確率は低くはないだろう。
このため電子がうようよいる空間ではクーパー対の寿命は短くなる。

従って、高温超電導を得るには、如何にクーパー対を作るかではなく、
如何にクーパー対以外の電子を排除するかが重要となる。

CuO2面にキャリアを注入するとモット絶縁体状態になるというから、
電子だらけ(電子の軌道が頻繁に接触する)の中に
スピンを持った電子が入れない薄くてひとつながりの空間が出来るんじゃなかろうか。
そこにはより直線的な飛行が可能なクーパー対だけが入れるだろうから、
クーパー対の寿命が長くなって超伝導状態になるんじゃなかろうか。
フェルミアーク内で観測されているホールは超伝導を引き起こすクーパー対ではなく、
その抜け殻なのではなかろうか。


自己流の電子のイメージ

以下は、そう考えるに至った部分の説明です。(元の雑談記事からそのままコピーしています。)
(10年くらい前の)巷の理論をすり替えて、自分にとって想像しやすいように改変しています。
観測できない=再現性がない=ないものとみなす、というのが科学という思想でしょうから、
これはもう科学ではないと思いますが、思考実験による仮説が科学として認められていた時代もあったし、
それが生み出した科学もある、という半ば詐欺のような理屈で自己正当化して空想を繰り広げています。


電子の本質は「実体のない確率の雲のようなもの」なのかもしれないが、
「単に観測できなくて知りようがないので確率で扱っているだけで、本当は何らかの形があるものだ」
と考えてもかなりの現象は説明できるし、その方が想像しやすいので現象を単純化して考えやすい。
ここでは電子を形あるものとして考えることにする。
電子の存在確率は、複数の(多数の)電子の(あるいは原子核との)相互作用による選択性の結果であると考える。
つまり、互いに居心地の悪い電子同士は互いに遠くへ拡散し、ある限定された空間には互いの居心地の良い電子だけが残る。
その居心地の良さは、空間やエネルギーに対して一様ではないから、
存在確率の高い空間や、存在確率の高いエネルギー、存在確率の高い自転速度などが発生する、と考える。
結果、本当は電子は空間的にもエネルギー的にも自転速度的にも自由であるにも拘らず、
マクロ現象を考える上に置いては量子的な状態を取るものが圧倒的に多く、
他の状態の物はほぼ存在しないと考えても良い状態にある、と考える。

まず空間内の存在確率について考える。
(無限遠の)空間内に電子が1個あったとすると、この存在確率はどこでも同じだろう。
しかし、例えば原子核と電子がある場合は互いのクーロン力(電荷のプラスマイナス)によって
存在確率は空間的に大きな差が出来る。
存在確率が非常に高い場所は、(本当は確率100%ではないので必ず常に電子がある訳ではないが)
ほとんどそこに電子があると考えてもそんなに状況は変わらないだろう。
そこで、そこには常に電子があるとして、マクロな現象を考えることにする。
電子が常にあると考える空間を「軌道」と呼ぶ。
原子核の間の空間の電子の存在確率はゼロではないので、電子は頻繁に原子核の間を行き来しているであろう。
つまり、電子の存在確率の高い所にいる電子と言うのは、いつまでも同じ電子ではなく、頻繁に入れ替わっているであろう。
光に近い速度で入れ代わり立ち代わりしていて、ほんの少し停留時間の長い場所が存在確率の高い場所だ、
と想像してみることにする。
さて、電子には自転(スピン)がある。電荷のあるものが回転すると磁界が発生する。
磁界を打ち消しあう状態、つまり回転軸が並行で回転方向が逆の電子は互いに安定するだろうから、
一緒にいる時間が長いだろう。
結果としてある限られた空間には回転軸が平行で回転方向が逆な電子の存在確率が高くなり、
かつその存在確率はほぼ半々になると考えられる。
もちろん電子は入れ代わり立ち代わりしているので、軸の平行でない電子も偶にはやってくるのだろうが、
その存在確率は非常に低いだろうから、無いと考えてもそんなに状況は変わらないだろう。
従って(少なくともヒトのサイズ付近での)マクロ的には電子にはスピンが2種類しかないと考えることにする。
ここで原子核の周囲の電子の存在確率に戻ると、クーロン力による確率の支配力は強いだろうが、
とは言ってもスピンが同じ方向だとさすがに存在確率が低くなるだろうから、
近接した軌道に高確率で存在することのできる電子は、単独ないしはスピンが互いに逆の1対だ けだろう。
原子核の周囲には、そのプラスの電荷を打ち消すだけの数の電子の軌道が出来るが、その空間的な形状は等方ではない。
これによって(高確率に起こる)マクロな現象は変わってくる。
また、例えば外部から電界や磁界が掛かるとその存在確率がほんの少し影響されて、存在確率が低くなることがある。
軌道が無くなったと考えるべきなのだろうが面倒なので、
このような状況をマクロ的には電子が軌道に対して空席になっていると考えることにする。
実際にはそこにあった電子が無くなると存在確率の空間分布が変わるので、
ある程度大きな分子では軌道形状の変化による原子核の位置の変化(=分子形状の変化)も考えなくてはならない。

次にエネルギーの分布(存在確率)について考える。
軌道内の電子はエネルギーによっても存在確率が変わり、存在確率が高くなるのは、ある限られたエネルギー値のものになる。
当然それ以外の様々なエネルギーを持った電子も空間には存在していて偶にはやってくるだろうが
そのようなエネルギーの物はすぐに通過して飛び去ってしまうだろう。
あるエネルギーの電子が存在(停留)する確率が高いので、
軌道にはそのエネルギーの電子しか存在しえないと考えてもほとんど状況は変わらない。
そこで、軌道内の電子はあるエネルギー値(準位)しか取りえないと考えることにする。
さて、エネルギー値によって空間的に確率の高い場所が変化する。
これも実際にはどちらかの軌道しかないのではなくて、両方の軌道が各々ある確率で発生する。
これを、エネルギー準位に対する軌道として考える。
最も特徴的な(マクロな状態への影響の大きい)軌道変化の1つに結合性軌道と反結合性軌道というのがある。
エネルギー準位が上がって結合性軌道から反結合性軌道の空間分布に変わると、分子が開裂する。
また、エネルギー準位の変化によって電子の存在確率が高くはなくなった空間にちょうど空の軌道があると考えると、
軌道形状にまるで節ができたような空間の存在確率変化をする場合があり、
この節に対してまるで回転した複数の(通常は2つの)空を含む軌道が存在するかのような場合がある
(有機分子ではこのような状態が多い)。
このような状況ではこの複数の軌道は各々固有のエネルギー準位を持ち、
逆に言えば(マクロ的には)与えるエネルギーによって形状が回転するように見える。
そこで、もう電子の存在確率のことは忘れて、
軌道には電子がある場合と空の場合があり、エネルギー準位によってその状況が変わるとだけ考えることにする(分子化学)。
更には軌道の形状変化も忘れて、エネルギー準位のことだけ考えることにする(バンドギャップとか、酸化還元準位とか)。
特定の素材特性について考えるときは、ほぼエネルギー準位のことだけ考えることにするが、
エネルギー準位によっては分子が開裂したり分子構造が変わることによりマクロな素材特性が変化することがあるので、
ときどきはこれらについても考える。

で、この伝でクーパー対について考えてみます。

電子にはスピンがあるから電磁石のようなものである。
電磁石は双極子であるから、近接する2つの双極子間の引力は距離の3乗に反比例する。
一方電子には電荷があり、その斥力は距離の2乗に反比例する。
従って、ある程度以上近づけば斥力よりも引力の方が勝つ可能性がある。
Webで調べていくと、斥力の最大(近づくためのエネルギー障壁の高さ)は数meVであり、
クーパー対になった時の引力は1meV程度だというから、電子がクーパー対になるための障壁はそれ程高くはない。
しかもクーパー対となった方がエネルギー的には低いので安定である。
一方、原子核に捉えられずに高確率で動き回ることのできる電子は数eVであり、
その運動エネルギーは光速の1/100以上に相当する。
従って、クーパー対という状態は電子が長時間、高速に平行に運動する状態と言える。
そのような電子にとっては1meV程度の引力などないに等しい。
ところがクーパー対が出来ると伝導電子以外の電子の配置に影響が出る。
結果、クーパー対には他の伝導電子の影響が及ばなくなり、クーパー対が存続できるようになる。
極低温の場合、クーパー対の寿命(平行に飛行する距離)は10〜100nm程度である。
伝導電子の平均間隔が0.1nm程度であるから、相当に大きな長さであり、
多数のクーパー対がひしめき合って飛び交っていることを意味する。
しかし、クーパー対同士は互いに干渉するから、結果互いに同じ運動になろうとする。
この結果全体としての安定性が保たれる。
一旦系が安定に達すると超伝導状態になるので、電場や磁場の侵入を拒むようになり、安定性が高くなる。

と、ここまでは(10年くらい前の)巷の理論のすり替えです。
ようやく本題に入ります。

クーパー対になるエネルギー障壁は無いに等しいから、平行に走るようになるかは単純な確率の問題であって、
クーパー対状態は頻繁に起こっていると考えた方が自然である。

電子にはスピンがあり、その飛行には磁界の影響を受ける。
固体空間には磁界の傾斜(井戸)があるから、
各個の電子の軌道はある範囲に閉じ込められ(旋回させられ)て、移動が制限されるだろう。
しかし、クーパー対になると互いに逆スピンであれば、
互いに螺旋を描きながらも合成運動としては磁界の影響を受けずに直進できる。
(もしかしたら、電荷に満ちた空間での2つの平行運動する同電荷の間にはローレンツ力による引力が働く
(運動による互いの電荷の間の斥力増加が周囲の電荷との斥力の増加でキャンセルされる)
というような都合の良い効果もあるかもしれない。)
いずれにせよ、たまたま平行に運動することになった互いにスピンを打ち消しあう電子群は、
より直線的な長距離飛行が可能となる。
しかし、別の(単独の)電子に接近すると軌道を分離してしまう。
電子の存在密度は低いが、電子は高速で動いているので、ある期間内に接近遭遇する確率は低くはないだろう。
このため電子がうようよいる空間ではクーパー対の寿命は短くなる。

従って、高温超電導を得るには、如何にクーパー対を作るかではなく、
如何にクーパー対以外の電子を排除するかが重要となる。

CuO2面にキャリアを注入するとモット絶縁体状態になるというから、
電子だらけの中にスピンを持った電子が入れない薄くてひとつながりの空間が出来るんじゃなかろうか。
そこにはより直線的な飛行が可能なクーパー対だけが入れるから、
クーパー対の寿命が長くなって超伝導状態になるんじゃなかろうか。
フェルミアーク内で観測されているホールは超伝導を引き起こすクーパー対ではなく、
その抜け殻なのではなかろうか。


とまあ、そう言ったことを妄想したこともあるという事で。
妄想の部分は数行で終わってしまうんですが、
そう考えるに至った部分を説明しないと何のことやら分からないんじゃないかと思ってあれこれ転記している内に、
結局大物の記事になってしまいました。



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