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空想DIYを紹介するページです。


オーディオラックの製作

木工なんて滅多にやらないものだから、木工趣味の人から見たら笑い話のような内容でしょうが、
結構私レベルで棚作る機会のある人も多いのではないか、ということで紹介します。

オーディオラック、正確には古くなって使わなくなったが、捨てるには惜しい
(使う確率が極端に低くなったものをいつか使うかもと取っておくのは理系の悪い習性)
カセットデッキやビデオデッキ、LD再生機などをそれらしく置いておくためのラックを作ることにした。
捨てるには惜しいが、場所も惜しいということで、コンパクトに置くためである。
ただし、いざ使うときにすぐに配線して使えるようにはしておく。

1.  方式(基本構造)について

前面は操作用に開放する必要があるし、背面は配線用に開口部を広く取りたい、放熱を考えると側面も開口した方が良い。
しかもかなりの垂直耐荷重が必要と考えると、側面板(ないし柱)に棚を取り付けるのではなく、
棚板の間に支えがあった方が良い。支えを板にするか、棒にするかの選択となる。
Webサーフしてみると、振動対策として棒(ずん切りボルト)をつかった物があったが、
思ったほどコンパクトになりそうにない。
これくらい無効スペースを大きく取るならウッドポール使った方が見た目的にましな気がする。
なるべくコンパクトに作りたいから、今回は2x4方式
(板の面形状が変形しまいとする強度を主要な躯体構造として利用する方法)
にしよう。
内空間は、W48*D45*H20cmで5段として高さ110cm程度とする。
これだと棚板は91*182cmから6枚取れるから丁度良い。
棚板はMDFボードで18mm厚くらいか。MDFは反りやすいが、18mmもあれば当分は持つだろう。
奥はケーブルのために開口が要るから、奥面の両サイド10cmを板にする
(これで左右方向の強度を担保する)。
側板は全面板でも良いが、放熱を良くするために奥の10cmを板にして手前をアルミパイプにする
(これで前後方向の強度を担保する)。
板はダボ組み+木工ボンド、パイプは棚板に開けた5mm程度の深さの穴にはめるだけにする
(2x4方式は、板がずれる方向に強い力が掛かるから、これをダボで担保する。
木工ボンドは持ち上げた時にバラバラにならないようにするためのものである。)。
10*20cmの板が20枚必要。棚以下の余り部分では12枚しか取れない。

2. 板などの入手

MDFが思ったよりも高価だったので、パイン集成材に変更した。
前面をステンレスパイプにしてデザイン性を出そう
(いつの間にかアルミがステンレスになっていますが、お店で実物を見たら気が変わることは良くあることです、
気にしないでください)。

とりあえず部品を購入し、眺めていて気付いた。
幅をぎりぎりにし過ぎた。幅48cmのものを収めるのに板厚1.8cmで板幅52cm、ここまではいい。
しかし、装置は手前からしか入れられないのに、買ってきたパイプはφ2.5cm・・・収まらない。
パイプだと側面よりも内側に収める必要がある(板の端ぎりぎりにはできない)から、
仮に径を変更するにしてもφ15mm位にしなくてはならない、耐荷重的に問題ありそうだし、
そもそもいかにも耐荷重に問題ありそうな雰囲気がだめだ。
ということで、急きょ前面縦材も板に変更、また買ってきました。
折角なのでちょっと違うパイン集成材(ホワイトパイン)です。ホワイトなのに元のよりも黄色い。
しかし木目が詰まっていて良さげ。

3. ダボの入手

ホムセンのダボ用品は滅茶苦茶である。
ダボ専用ドリルはφ7.5mm(φ8mmのダボを打ち込むには、穴はやや小さめの方が良い)だが、
センター位置合わせジグ(というかポンチ?)にはφ8mmのものがある。
ドリルとセットで販売しているφ7.5mmのものでないと合わない。
またφ8mmのダボ専用ドリルは、どこのホムセンも長さ20mm用のが置いてあるが、
φ8mm×20mm長のダボなどどこにも売っていない。もっと長いダボしかない。
恐らく短いダボは機械でつかみ難くて作り難いからだろう。
ドリルを作るメーカーとダボを作るメーカがお互いにシーズ優先で作った結果だろうが、
商品化前に市場調査位しないのか?。
また、それを当たり前のように店頭に並べるホムセンのセンスも信じられない。
φ8mm×40mm長のダボを見つけたので、これを半分に切って、
アングル組みの方は縦穴を深くしてφ8mm×30mm長のダボを使って・・・と思ったが、
20mm長のが通販で売っていた。ということで、通販で発注しました。
送料がもったいないし、今後も使うだろうしで1000個購入(理系の悪い癖)。
送料500円込みで1575円/1000個。ホムセンのφ8*30mmの500円/100個は何だったんだ。

4. ダボ用ジグ

で、ジグが要ります。
ジグは端材で製作、したがってパイン集成材製。板を2枚貼りあわせて厚みを稼ぎ、φ10mmの穴を開ける。
これにφ10mm、内径7.5mmの樹脂パイプを挿入する。内径7.5mm丁度のは入手できなかったので、
内径7mm程度のパイプを旋盤で加工。
最初7.51mmにしたら入らない、調整が面倒なので使うドリル(φ7.5mm)で直接拡げた。
φ7.5mmの木工ドリルは意外と売っていない。今回は手持ちのセットから使用。
  
このジグ製作には思いの外時間が掛かった。
しかも結果としてこのジグを使うと穴が僅かにずれる(部材に全部穴あけてから気づいた)。
ジグ面を板面に当てて厚み方向の位置を出すと思ったよりも精度が出ない。
例えばコーナー突き当てでは(ジク側面で位置合わるため)各々の板は裏表でジグに接するから、
厚み方向の位置ズレが2倍になる。
市販のダボジグが、板を両方から挟んで厚みの中心を出したり、
2つの板を同時にセットしたりするのはこのためかと納得。
穴を広げて無理やり合わせたので、組立時間も倍増、隙間も空いた。
少々高価でも扱いが面倒で時間が掛かっても、ダボを使う場合は市販のジグを入手した方が良いようだ。

3. 組み立て

で、組立始めてまた問題発生。
こんな大物を接着ありで作るのは初めてなので、クランプが届かない。
慌てて買いに行ったがそんなに長いのは売っていない。
仕方がないのでベルト式クランプを購入した。
今一つ締まらないが、締めた状態で叩くと、元に戻りにくいようなので、締めてから再度叩きまくりました。
木工には、長ーいクランプが要りますね。これは事前に準備が必要。

3. 完成

  

掛かった費用は、素材=10740円、ジグ=478円、工具追加購入=3657円、仕損(購入したが使用しなかった)=1967円、
合計=16842円。
まあ、2万円くらい掛かると思っていたので、思ったほど仕損や追加工具購入は多くなかったということで。




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