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空想DIYを紹介するページです。


水撃ポンプ

調べてみたらあまりにも簡単なメカニズムに拍子抜けして、途中で冷めてしまったものです。

必要な要素

水撃ポンプと言えば、水の流れの力を利用して大きな高低差に水をくみ上げる、カンカンうるさいポンプのイメージがあるが、
僅かの高低差ならば比較的静かなものも作れるようである。
原理的には、別に衝撃というほどでなくとも、ある程度速く流れを止める弁があればよいので、
クッション(衝撃吸収)も使用可である。
必要な要素は次の3つ。

排水弁:流速が一定以上になると閉じ、一旦閉じると圧力差がなくなるまで閉じている、というような弁。
揚水弁:圧力差によって動作する整流弁。
タンク:圧力の積分(一定化)。

構造的には、排水弁が肝のようだ。


言い訳

動作を調べて、要素を抽出して、肝となる部分が分かった段階で冷めてしまった物です。
もっと複雑なメカニズム(衝撃波の伝搬とか共振とか溶け込んでいる気体の破裂とか)を予想していたので、
あまりにも簡単なメカニズムに拍子抜けしたといった感じでした。
動作メカニズムは、「重たい水の流れを急にせき止めると、水の運動量が堰き止めた場所に押し寄せて一時的に圧力が上がる。
この圧力を弁を使って回収する。」というものでした。
動作についての説明は探せば幾らでもあるでしょうし、これ以上事細かく書くまでもないでしょう。

追記

これではあんまりかなと思い、少し説明します。
圧力はP=F/S、運動方程式はF=m*a、加速度は等加速度としてa=v/tです(正確にはv=v0+a*tと書くべきでしょうか)
(F:力[N]、m:慣性質量[kg]、a:加速度[m/s^2]、P:圧力[Pa]、S:面積[m^2]、v:速度[m/s]、t:時間[s])。
仮に管の中に10kg(10L)の水が1[m/s]で流れていたとして、これを0.5秒間かけてゼロにしたとして、
この圧力をφ2cm(3.14E-4[m2])で受け止めたとすると、掛かる圧力は
P=F/S=m*a/S=m*v/t/S=10*1/0.5/3.14E-4=63.7[kPa]
となります。
水を1m揚水するのに必要な圧力は摩擦損失を考えなければ9.8kPaなので、63.7k/9.8k=6.5[m]の揚水が可能となります。
φ2cmの管で10Lだと管の長さは3.2mなので少々短いでしょうか。仮に10m位の管を使えば20mの揚水が可能となります。
まあ、効率が半分としても10m位は汲み上げられそうな感じです。

ちなみに、敷地に余裕がある時はこんな断続的な機構よりもより連続的な運動のもの、例えば水車のようなもの、
あるいは水車+ポンプのようなものの方が適切でしょう。
水撃ポンプは簡便かつコンパクトに揚水するのに向いていると思います。





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